薬局で支払う料金の詳細
薬局での支払いを安くする方法
薬局で支払う料金はお薬代だけではない
筆者であるこじまるは管理薬剤師として現役で調剤に携わっています
普段日常的に薬局を利用している方、急な発熱などで突発的に病院を受診し薬局を利用される方など人生で薬局を利用することは一度はあると思います。
そんな薬局ですが、実は実際にお支払いしているお金の中にお薬代以外のものが含まれているってご存知でしたか?
この記事では薬局でかかるお金についてわかりやすく簡単にまとめていきます。
薬局窓口で支払うのはお薬代だけではない?
結論からすると、薬局窓口で支払うお金はお薬代だけではありません。
一般的に病院を受診すると「処方箋」というお薬のレシピが書かれた紙をもらいます。
その「処方箋」を調剤薬局に持っていくと必要なお薬がもらえるという流れです。
その際、薬局で支払うのは「お薬代だけ」と思っている方も多いのではないでしょうか?
実はお薬代以外にも「調剤報酬点数表」というものに基づいていろいろなものが組み合わさってお会計は決定しています。
薬局窓口で支払うお金の詳細
ではお薬代以外にどんなお金を請求されているのでしょうか?
上の図のとおり、大きく分けて4つの項目からお会計は決定されています。
各項目について見ていきましょう。
①調剤技術料
調剤技術料にはさらに「調剤基本料」「調剤料」「各種加算料」と分類できます。
・調剤基本料
調剤基本料は「薬局で処方箋に基づいて調剤を行うこと」に対して算定されるもので、薬局を利用する際の「基本料金」みたいなものです。
調剤基本料は薬局によって変わります。
②調剤基本料2・・・26点
③調剤基本料3・・・21点or16点
④特別調剤基本料・・・9点
②、③に関しては特定の医療機関からの処方箋応需、いわゆる「門前薬局」に多い基本料です。
その価格の違いはこの調剤基本料の部分になります。
・調剤料
調剤料は「薬を調剤する技術」に対して算定されるものです。
薬の種類(内服、外用、注射など)や処方された日数によって変わってきます。
・各種加算料
①地域支援体制加算・・・38点
②後発医薬品調剤体制加算・・・15点or22点or28点
③後発医薬品減算・・・▲2点
①地域支援体制加算は薬局として質の高いサービスを行っている薬局が獲得していることが多いです。
②の後発医薬品調剤体制加算はその薬局の後発品(ジェネリック)の使用割合によって点数が決まります。
後発品(ジェネリック)の使用割合が75%以上なら15点(150円)、80%以上なら22点(220円)、85%以上なら28点(280円)となります。
基本的にどういう体制の薬局かは掲示しているので確認してみてください。
①一包化加算
②自家製剤加算
③計量混合加算
④時間外等加算(時間外、休日、深夜)
⑤夜間・休日等加算・・・40点
②薬学管理料
薬学管理料は薬剤師がお薬を渡す時に、服用の注意点や指導、薬に関しての情報提供にかかる費用です。
また、薬剤師は患者さんの情報を「薬剤服用歴」と言われるカルテのようなもので管理しているのでその管理費用も含まれます。
・薬剤服用歴管理指導料
②上記以外・・・57点
※簡略化しています
簡単に言うと、お薬手帳を持参して同じ薬局に3ヵ月以内に行くと少しだけ安く(3割負担で40円)なります。
・薬学管理料に係る加算料(一部抜粋)
②特定薬剤管理指導加算1・・・10点
③乳幼児服薬指導加算・・・12点
④吸入薬服薬指導加算・・・30点
⑤服薬情報等提供料・・・30点or20点
①で多い例は「お薬が余ってるから調整したい」時に、薬局で頼むと30点(300円)かかります。
③薬剤料
この「薬剤料」が「お薬代」となります。
お薬代に関しては「薬価基準」で定められているため、どこの薬局でも価格は変わりません。
このお薬代に関しては2年に1回価格の改定があり、その度に見直されているので徐々に変更されることがあります。
④特定保険医療材料料
特定保険医療材料も価格が決められているので、薬局による変動はありません。
こちらも薬価改定のタイミングで価格が見直されます。
対象の材料は厚生労働省により詳しく定められています。
薬局でのお会計をお得にするには?
薬局でお会計を安くしたいならどうしたら良いのか?
薬局でのお会計を安くする第一段階としては「「調剤技術料」が安いところを探すこと」です。
門前薬局を選択する?
以前から門前薬局の方が基本料は安いからお会計もやすくなるのでは?という話がよくありますが、正確にはこれは間違いです。
門前薬局の方が安くなる傾向はありますが、一概には言えません。
極端な例になりますが次の図を見てください。
この場合、左の一般的な郊外型ドラッグストアの基本料金は調剤基本料1のみの42点(420円)となります。
右の調剤薬局は調剤基本料が3なので21点としましょう。
ですが、ものすごく頑張っている調剤薬局さんなので地域支援体制加算をとっていて後発品使用割合も優秀です。
この場合、こちらの調剤薬局の基本料金は「調剤基本料3(21点)+地域支援体制加算(38点)+後発医薬品体制加算3(28点)」となり、合計で87点(870円)です。
後発品(ジェネリック)を使う
後発品(ジェネリック)は、先発品と同じ有効成分で作られたお薬です。
ちょっと前までは後発品(ジェネリック)と聞くだけで拒否反応を示していた患者さんも多かったのですが、最近では70%以上の患者さんが後発品(ジェネリック)を選択しています。
厚生労働省も2020年9月までに80%を目指すと目標を定めていて、後発品(ジェネリック)は国をあげて推奨されています。
後発品(ジェネリック)は先発品のおよそ半額程度と安いというイメージがあると思いますが、安心安全な薬です。
基本的に先発品との違いは添加物と見た目や大きさくらいで、効果としては同等の臨床効果が得られ、主成分の血中濃度の挙動も同等と認められているためです。
お薬手帳を持参する
前述しましたが、お薬手帳は同じ薬局に3ヵ月以内に再来局すると14点(140円)安くなります。
定期的にお薬をもらってる方は、お薬手帳を作り処方箋を持っていく薬局を固定しましょう。
最近ではスマホのアプリでもお薬手帳が普及してきているのでそちらでもOKです。
薬局窓口で支払うのはお薬代だけではない:まとめ
どうでしたか?
この記事で書いた通り、薬局窓口のお会計ではお薬代以外にもたくさんのことが関わっています。
- 調剤技術料
- 薬学管理料
- 薬剤料
- 特定保険医療材料料
の4つの項目で決定しています。
そして、薬局でのお会計を安くしたいのであれば
- 「調剤技術料」が安いところ探す
- 後発品(ジェネリック)を使用する
- お薬手帳を持参する
です。