世界で一番高い薬の価格
世界で一番高い薬の適応について
世界で一番高い薬になってしまった理由
目が飛び出ます
世界で一番高い薬って一体いくらなの?
気になるにゃ!
10万円くらい?100万円くらい?
自分も仕事で調剤していると、1錠で1万円以上する薬もあり、それが100錠とか処方されるとそれだけで医療費総額100万円越えてくるので高いなぁと思っています。
では実際のところ世界で1番高い薬っていくらするんだ?
正解は167,077,222円です。
わかりやすく書くと1億6707万7222円です。
なんかもうよくわかりませんよね?
驚くべきは1回の治療で1億6707万7222円かかるところです。
世界で一番高い薬の正体は?
この1億6707万7222円もする薬は「ゾルゲンスマ点滴静注(成分名:オナセムノゲン アベポルバック)」というもので、現在国内最高額の医薬品です。
日本ではこの価格ですが、アメリカでは同じ薬なのに2億円を越えています。
実は日本だけでなく、世界的にも最高額の医薬品です。
このとんでもなく高額な「ゾルゲンスマ点滴静注」は、保険適用が認められ2020年5月20日に薬価収載された新薬になります。
世界で一番高い薬を販売している会社は?
「ゾルゲンスマ点滴静注」はノバルティスというスイスを本拠とする製薬会社から発売されています。
ノバルティスは2019年12月期で世界3位となる売上高5兆円をあげている世界的メーカーです。
ノバルティスといえば昨年も、白血病などに使う「キムリア」という1回約3,300万円かかる超高額新薬を発売したばかりです。
世界で一番高い薬は何の薬なの?
1回の治療で1億6707万7222円する「ゾルゲンスマ点滴静注」は一体何の薬なのでしょうか?
「ゾルゲンスマ点滴静注」は「脊髄性筋萎縮症」の治療薬として開発されました。
「脊髄性筋萎縮症」の治療薬は2017年に初めて国内で承認された「スピンラザ髄注」がありますが、「ゾルゲンスマ点滴静注」はそれに続く画期的新薬として大きな注目を集めています。
「ゾルゲンスマ点滴静注」の適応は?
添付文書によると、適応は「脊髄性筋萎縮症(臨床所見は発現していないが、遺伝子検査により脊髄性筋萎縮症の発症が予測されるものも含む)ただし、抗AAV9抗体が陰性の患者に限る」となっています。
基本的には2歳未満の子に使用され、体重に応じて投与量を変えていきます。
脊髄性筋萎縮症はどんな病気?
「脊髄性筋萎縮症」はSMA(spinal muscular atrophy)と略される遺伝子の病気です。
日本での患者数は約1,000人と希少な疾患で難病に指定されています。
SMAでは、運動のために使用する筋肉を保つために必要な運動神経が徐々に減少して、筋力が低下したり、筋肉が萎縮していきます。
症状が始まる年齢によって4つのタイプに分類されます。
タイプ | 発症時期 |
I型 | 生後0〜6ヵ月 |
II型 | 生後7〜18ヵ月 |
Ⅲ型 | 生後18ヵ月以降 |
Ⅳ型 | 青年期後期/成人期 |
乳幼児に症状が始まるⅠ型は、出生2万人に対して1人前後と言われています。
世界で一番高い薬はなんで高くなったの?
「ゾルゲンスマ点滴静注」の価格はどうしてここまで高いものになってしまったのでしょう?
「ゾルゲンスマ点滴静注」はスピンラザ髄注に次ぐ「脊髄性筋萎縮症」の治療薬なので価格もスピンラザ髄注の価格を元に決められています。
スピンラザ髄注はいくら?
ではスピンラザ髄注はいくらなのか?
1瓶949万円です。
1億越えの後だからインパクトがいまいちかもしれないが、これまたもんげ〜高い。
スピンラザは初年度に年6回、2年目以降は年3回の投与になるので初年度は約5,600万円、2年目以降は年間約2,800万円治療費がかかります。
臨床試験の結果から価格決定
臨床試験の結果から、ゾルゲンスマ点滴静注1回でスピンラザ髄注11本の投与が不要になるとのことから、「スピンラザ髄注の価格×11」がベースとして定められました。
ここから更に
②根治が可能である
③1回で治療が完了
④患者の肉体的負担軽減
などの理由により「画期性加算」「有用性加算」「市場性加算」などが上乗せされ1億6707万7222円という価格が決定しました。
実際には、医療費補助制度があるので患者さん自身が負担するお金はほとんどゼロになることが多いかと思いますが、それでもとんでもない金額ですね。
世界で一番高い薬は相当ヤバかった:まとめ
どうでしたでしょうか?
一番高い薬の価格は、予想をはるかに越えていませんでしたか?
現在、一番高い薬は「脊髄性筋萎縮症」の治療薬「ゾルゲンスマ点滴静注」の1億6707万7222円となります。
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